3月のライオン 7巻 羽海野チカ
3月のライオン 7 (ジェッツコミックス) | |
羽海野 チカ 白泉社 2012-03-23 売り上げランキング : Amazonで詳しく見るby G-Tools |
内容紹介
新人王を獲った零だったが、いじめられているヒナのために、自分が何もできないと勝手に思い込んでいた。
一方、ヒナは学校で心が折れそうになりながらも、懸命にいじめと戦っていた。
二人の様々な思いが交錯する中、物語は新たな展開をみせる。
「本当の強さとは何か?」
あなたに問いかける『3月のライオン』第7巻、ここに登場です。
全エピソードが『神回』と言っても過言ではないハイクオリティ連発の第7巻。いやー、たまりません。
ジョジョと同じく、3月のライオンは『人間賛歌』の物語だなとしみじみ思う。全ての登場人物に意味があり、全てのセリフと行動に意味がる。そして物語の根底にある、作者の作品に対する強い強い愛情。
ますます凄みを増すキャラクター達の表情は、読者の心を鷲づかみにする。「俺はこうやって生きている」「お前は真剣に生きているのか?」「お前は本当の強さを持っているのか?」と問い正される。決して胸ぐら掴むような無理矢理ではなく、当たり前のように真剣に生きているキャラクターが、当たり前のように読者に時に問いかけ、時に励ましてくれる。
7巻は学年主任の国分先生が最高でした。クラスのいじめに本気で介入しようとする強い彼を作り上げたのは一体何だったのか。過去の経験があって、過去からの努力があって今の自分がある。ハチクロではほぼ全ての登場人物が、「なぜこのキャラクターは今こういうことになっているのか」が描かれていたのだけれども、この教師の過去もぜひ作者に物語って欲しいなと思った次第。
そして物語は更に佳境へ入り、桐山と名人との対局が迫る。高みへ上っていく桐山の目には、次に何が映るのか? さらに高みに存在している宗谷名人には、世界はどう映っているのか? 二階堂の病気はこれからどうなっていくのか? 作者は何をどこまで描こうとしているのか? 物語が折り返しに入っているのかどうかすらわからない! わからないけれども、僕はこの人間賛歌の物語を終わりまで見届けたいと思う。
また、そういった物語のこれからと地続きに「食べ物がとてつもなくウマそう」という僕にとってマンガの重要な要素もてんこ盛りで描写されていて大満足。ああ、甘味処へ行きたいよ!!
「食欲に火がついた女の子の表情」「食欲をそそるネーム」がバツグンに痺れます!! A+