名探偵コナン 銀翼の奇術師 DVD

名探偵コナン「銀翼の奇術師」 [DVD]

名探偵コナン「銀翼の奇術師」 [DVD]

こないだテレビでやってたなあ。そのほんの少し前にDVDで鑑賞。まあテレビよりはDVDの方がCMもないし一気に集中して鑑賞できるのでいいね。さて本作は、殺人事件と窃盗(盗難)事件、そして飛行機墜落寸前アクションが絡み合った作品となっております。運命の宝石を狙う怪盗キッドと、有名女優殺人事件。トリックもわかりやすいめの伏線が張られてあって「あ、これは怪しい」「この動作は怪しい」と思いながら物語を堪能しました。殺人事件が一通り解決してからの後半は、ほぼずっと飛行機アクション。墜落しそうになる飛行機を、キッド、コナン、蘭、園子が協力して着陸させようとするシーンはなかなか熱いです。「(敵であるはずの)キッドが(一時的にせよ)こちら側につく」という構図はお約束ながらも燃えますぜ。B+

追記
気になった点は音声。BGMとキャラクターの声の音量バランスが妙な感じ。効果音が大きすぎるのか、聞き取られるべきセリフが若干聞こえにくいところが幾つかあった。飛行機アクションシーンは確かにその場面の性質上、BGMや効果音が大きくなりがちではあるが、声が聞き取りにくくなるほどの必然性はあるのかどうかは疑問。

関ヶ原 全巻 司馬遼太郎

関ケ原(上) (新潮文庫)

関ケ原(上) (新潮文庫)

関ケ原(中) (新潮文庫)

関ケ原(中) (新潮文庫)

関ケ原(下) (新潮文庫)

関ケ原(下) (新潮文庫)

長い。なーがい。文庫だと全部で1500ページ以上あったんじゃないだろうか。まあそりゃ世の中にはもっと長い本もあるので上を見てもきりがないけど、僕の人生上ではこれはけっこう長めなのである。というわけで、関ヶ原。タイトル通り、関ヶ原の合戦の物語である。年月で言うと太閤豊臣秀吉の晩年くらいから、関が原の合戦後まもなくくらいまでの時間の中の物語である。石田三成徳川家康、2人の英傑の権謀術数がこれでもかこれでもかというほど細かくかつ面白く描かれていて、関ヶ原の合戦は合戦の1日だけではなく、そのずっと前から戦略、武略、戦術が繰り広げられていたのだなあと感嘆する。裏切りの男、小早川秀秋についても、その人となりが非常に細かく描かれていて、戦国大名の性格というのがよくわかった。
そして三成の石高の少なさゆえの苦労は読んでいて非常にやるせなかった。20万石程度の大名が、250万石の大名たる徳川家康を大向こうに回して、頭脳を駆使して挑む姿は悲壮でもある。「豊臣の恩」という観念で動く三成と、「利と害」という現実で動く家康。2人のこの違いは、人を引き付ける魅力の差異にも現れた。
三成と家康が主人公のようなものなので、2人の描写は当然多いのだけど、その他の家来、大名もダイナミックに数多く描かれていて素晴らしいです。特に黒田如水、島津家、島左近加藤清正福島正則直江兼続あたりは分量を割いて描かれていたように思う。後半から終盤にかけて、長い期間の連載だったためか、同じような描写が何度も出てくるのにはちょっと飽きてきた(例としては、黒田如水が秀吉の次に天下を取る男であると秀吉が言った、というエピソードなど5回くらい出てきた)けど、最後まで楽しく読めた。A−

NANA 12巻 矢沢あい

NANA―ナナ― 12 (りぼんマスコットコミックス)

NANA―ナナ― 12 (りぼんマスコットコミックス)

とりあえずは面白かった。やや重苦しい展開が続いていて所々だるくなってしまったけど、「ナナとハチはどうなるのか」というただ一点、そこが強力なヒキになって読み進めることが出来る。アマゾンのレビューにもあったけど、やや登場人物が増えすぎてるなとは思った。何人の人物を登場させて物語を進めることができるか、というのは作者の力量がわりとストレートに反映されるんだが、さて本作はどうか。2つのバンドとその関係者が入り乱れて進行しているが、このあたりが読んでついていけるギリギリかなーという気がする。それでいてモノローグでどんどん話のコアな部分を言っちゃうわけなんで、もうちょいペース落としたほうがもう少し感情移入しやすいかなと個人的には思う。ここしばらく各々のキャラの行動、思想に対して僕は共感半分、疑問半分なんでまあとりあえず見守って行きたい。B