逆説の日本史〈11〉戦国乱世編―朝鮮出兵と秀吉の謎 井沢元彦

逆説の日本史11 戦国乱世編: 朝鮮出兵と秀吉の謎

逆説の日本史11 戦国乱世編: 朝鮮出兵と秀吉の謎

11巻は秀吉編です。冒頭の「秀吉は指が6本あった」というエピソードにショックを受け、その後も井沢歴史ワールドにグイグイと引き込まれる。井沢元彦の、じっとりと大事なことを何度も繰り返す書き方は慣れないと少々うっとおしく感じるかもしれない。でもこういう書き方は、事実とその表現への思いについて、なるべく誤読されることを避けようという筆者の誠実な態度のあらわれなんだろうと思う。また、あらかじめ予想される批判への反論もじっとりと書き記していてなかなか読み応えがある。
大まかに言うと、11巻では秀吉の成り立ち、信長の実質的後継者としての政治(政策)とその影響、そして当時のスペイン情勢までも視野に入れた朝鮮出兵についてがメインの内容となっている。秀吉の名前の変遷についての考察は今まで知らなかったことなのでかなり新鮮だった。羽柴秀吉の「羽柴」、この羽と柴だが、これは「柴田」の柴ではなく、「丹羽」の羽ではないのだ。ううむー。B+

追記 ああ、そういえば巻末に著者近影があるんだけど、井沢先生突然スキンヘッドになっててめちゃくちゃびっくりした! なぜスキンヘッド……?