変人偏屈列伝 荒木飛呂彦 鬼窪浩久

出版社/著者からの内容紹介
天才発明家、異能の大リーガー、稀代の興行師…数奇な運命を辿った愛すべき変人偏屈たちの力強い足跡を、荒木飛呂彦が尊敬の念をもって描く人気シリーズ、内容に相応しい豪華装丁で単行本化ッ!!

荒木イズム炸裂の1冊、大変面白かった。全6本のうちウィンチェスター・ミステリー・ハウスと腸チフスのメアリー以外の4本は原作荒木・作が鬼窪という構成になっている。鬼窪絵も悪くないし、原作が荒木作なので十分読める。まあしかし荒木飛呂彦に格別の思い入れがある人は、「えー」と思ってしまうかもしれない。藤子ファン的には、藤子・F・不二雄原作で、むぎわらしんたろうが作画をしているような感じかな……。

個人的には荒木2作品ほか、康芳夫タイ・カップ伝がとても面白かった。何かに異常に執念を燃やす、尋常じゃない集中力を見せる、凄まじいこだわりがある、そういった人は奇人・変人と見なされることがしばしばあるけど、まさに事実は小説より奇なりだなと思えるほどブっ飛んだ人格・エピソードが多いなあ。いつか「日本変人列伝」も描いて欲しい! 南方熊楠野口英世あたりいいかもしれんなあ。値段が高いのがちょっと残念。今のマンガ文化というか単行本市場で、1冊で1800円というのはやはり気軽には買いにくくもあり。B+