岡田斗司夫のひとり夜話【GyaOジョッキー】

Gyao内のコンテンツで、岡田氏が月1回1時間、1人で好きなことをフリートークする番組なんだけど、面白くて月1回の楽しみになっている。岡田斗司夫の著作は「視点の切り替えのススメ」及びそれに伴う「現世利益」が相性マッチする人には本当に良い現実的処方箋だと思っている。このような現世利益追求視点はやっぱり彼自身のサービス精神と商売人としてのWIN-WINの「商いスピリット」があるんじゃないかと思った。なんか、個人的にそういう現世利益追求姿勢は、ものの考え方、思考の土台や原点の視点として持っておきたいものがけっこうあるのだ。

何回か前の分の視聴メモ(もうほぼ個人用になってしまった感もあるけども)。俺の心にちょっと留めておこうメモみたいなもの。

▼「キリスト教」「感動の本質」について。
キリスト教、人はなぜ宗教を信じるのか、愛し続ける努力をするというのはどういうことか、日本人と欧米のキリスト教信者との決定的な「神への誓い」の有無による違い、日本人はけつをまくりやすい民族的特質。愛し続ける努力、信じることを努力し続けながら日々を送ることに人としての成長がありうるのではないか。

▼感動の本質、映画館での一体感と非一体感、笑いは攻撃である、サザエさんで笑う部分はカツオへの笑いという攻撃、家族や学校だからこそ、笑い=攻撃性のある悪意、いじめが起こるのだ。塾や予備校なんかはいじめなんて起こらない。なぜなら家族的、親友的に仲良くないから。

▼「ミサトは職業的プロ意識の低い女だから駄目でしょ」「涼宮ハルヒはブランド志向だけの馬鹿女なのではないか。宇宙人未来人超能力者だからといって面白いわけないだろ。属性に価値をおいているところがブランド志向。」「(マンガ「大市民」をひいて)成人式で騒ぐのは弱者への攻撃にすぎない。なぜなら彼らは入社式では全く騒がないから。成人式における弱者は、ペナルティ手段や強制力を持たない運営側。入社式で騒ぐとデメリットがあるが、成人式で騒いでもデメリットがない。だから騒ぐ。一般的なモラルそのものはもうずっと前から崩壊しているから若者に限ったことではなく、成人式だけを取り出して批判するのはあまり意味がない。」も大変面白かった。ほか「みなもと太郎「松吉伝」で日露戦争の日本の諜報活動エピソードが面白かった。国家予算の何分の一という規模をさいて、ロシアはじめ諸外国の情報機関を買収していた。だから勝つべくして勝ったのだ。」という話。

▼「成功への道」とは「失敗する努力」を減らす(太る努力を減らす)こと、チャレンジの回数を増やす、少しずつ違うことを何度も繰り返す(工夫と慣れ、練習、コツ)、自分の体験でしかない自分のオリジナルのやり方、同人誌でもアニメでもマンガでも小説でも、作ることを習慣化する、当たり前のことにする、それは経験が自信にも繋がるし完成度もあがることにつながる、1回のことを磐石の態勢で成功するように! と思うのではなく、何度も何度もやるうちに偶然成功する。結局自分オンリーのやり方というのは自分の経験全てが関係するものだから、成功だけの要素はないし他人がマネできない。

▼レコダイは「太る努力をやめる」つまり「失敗する確率を減らす」ことを書いた本。成功するパターンを本人が見つけられるまでやっていきましょうと。書いてるだけで自分だけのやり方を絶対発見できるから大丈夫、という文脈なんだ。成功する努力、というのは魂が熱くなるにはいいけど、頭脳にとっては同じ戦略をとっても仕方がない。王長島庵野も、転がり込んできた偶然の成功を、何度も何度も繰り返してコツとして習得していく。繰り返していくと技術はいやでもあがる。あとは回数こなせば偶然の成功はある。それを繰り返す。そういう感じ。自分の幸運や誰かの成功をアテにしては失敗のリスクが大きい。勉強も、成績が下がらないようにする(下がる努力をしない!)ということがコツかもしれない。成功はやっぱり本人の偶然性。勝間和代の事務所スタッフややビッグトゥモロウの編集者がどんどん成功して年収アップしてるなんて話は聞かないし、最大多数に当てはまる法則なんていうのはないのでは。やはり「失敗する努力を減らす」が良いのでは。もてない人も、もてない努力を続けているからではないか? もてない努力をすることを減らす、まめになるというのが成功へのコツか。とにかく小さいチャレンジ回数を増やす、確率を増やす。アニソンかけて踊るイベントをやるなら、1回に全力を注ぐのではなく、リスクを減らして同じコストで3回5回やるようにすること。繰り返すうちにスタッフも慣れて技術も上がり完成度があがる。その延長線上に偶発的成功がある。

▼表現の具体性、対象のそのことが、自分の中のどの琴線に触れたかというのが大事で、それができれば超一流の語り手になれるのでは。何か苦手な科目があったら、どのように苦手だったか、自分の中のどこにひっかかって苦手だったか、克服しようとしたけれど苦手だったのかなど、具体性を帯びる部分が表現としてのコツ。

▼自信は結果に付随する。僕らが自転車に乗れる自信、転ばない自信なんていうのは、自転車に当たり前のように乗れるようになってから持つものであって、乗れるようにならないと自信なんていうのは生まれない。だから成功体験がないのに自信がないのは当たり前。その代わりどう自分を奮い立たせるか、それはプライドを持つこと。成功体験そのものを増やすには、上記のチャレンジ回数増加と試行錯誤しかない。Gyaoで僕が一人で1時間もしゃべれるのも、昔やってた午後Gyaoとか大学での授業とか、そういう経験が基礎になっている。

▼他にも昔のアーカイブ見ても唸る論が色々展開されていたと思うので、また保存されて視聴できるうちに見たいなと思う。コアなファン向けに作られているであろう同人誌もそのあたりの思考回路がかなり濃縮に詰まっていて面白い。この辺もあれだな、説得力より納得力が異様に高いんだよなあ。岡田斗司夫という人の喋りは、その場の雰囲気や勢いが加わると、メッチャクチャ納得力が高くなる。まあ検証すると「大統領のヘルメット」みたいなエピソードもそりゃあるんですけどもね。

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いわゆる「レコダイ」のノウハウ本。「痩せる努力をする」じゃなくて「太る努力をしない」という視点の変化のススメ。太る努力をやめたら痩せる。やり方そのものはもうウェブ上でも多々情報はあるし2ちゃんねるでもスレがありテンプレ化もされているが、この本はやり方そのものもさることながら、付属する岡田の「見た目社会」視点とか、岡田自身の減量体験、変化というのが物凄く「納得力」を持って書かれている。いつか「太ってたほうが評価が高い」という時代が来たときには、「痩せている生活をする努力をやめる」事が有用になるのでありましょう。僕自身、この「食べたものを記録する」という方法を中心として、約1年で25キロ減量したこともあり、いやあ735円で25キロ痩せる事ができるとは恐ろしいコストパフォーマンスだと思うところ。その後1年経ってリバウンドも無いしね。ベルトもシャツもズボンも2,3回買い直す事になったけど、それはもう嬉しい悲鳴というものでしょう。数ヶ月間は久しぶりに会う人会う人には驚かれ、痩せた方法を聞かれ、ある意味新鮮な日々でした。

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プロのクリエイターになるよりも、「プチ」な「クリエイター」になるほうが人生楽しいかもよ、という視点の変化と現世利益(幸福度合い向上)のススメ。自己表現が多岐にわたる時代にけっこうマッチした本だなと思う。ブログやニコニコ動画ネットラジオや同人誌、ホームページ等趣味を人に見せて、それで心の満足度を増やす。結果的に何らかの見返りがあればそれは幸せなことだな、という話。100メートル走を世界1位と一般市民が走っても、10倍も差はつかない。せいぜい2~3倍。つまり才能の差はあってもそれくらいだと。あとはどこを、どのように努力するのか、というコツの話など。

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http://www.gyao.jp/sityou/catelist/pac_id/pac0005453/
岡田斗司夫のゼネラル・プロダクツ:撮影開始!
次回はエンドレスのスペシャル放送らしく、楽しみだ。多分アーカイブで観ることになりそう。

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