プラネテス DVD 2巻

プラネテス 2 [DVD]

プラネテス 2 [DVD]

収録作品は
Phase3 「帰還軌道」
Phase4 「仕事として」
Phase5 「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」
の三本。遺言と死と、死ぬべき場所と愛をテーマに扱った3。遺言がなかなか書けないというタナベの気持ちも、遺言なんか書いても所詮それは死んだ後の話であってしったこっちゃねー、というハチマキの気持ちも、両方わかるんだよなあ。そしてそれが、後に出てくる宇宙で死んだ人間の取り扱いへの見解の違いにも繋がるわけで。
4は連合議長の息子というエリートがデブリ回収課にやってきてあれこれと横暴する話。よくあるっちゃよくあるネタですが、舞台を宇宙に設定し、登場人物を係長補佐とかハチマキ、タナベ、フィー、ユーリと配置するといやまじでデジャヴ的な感じすらする。安定感抜群のわかりやすくよくできた回だなあ。タナベはここでデブリ回収はかっこいいん! ということをガッチリ言い放っているわけで、そこのところもあってかここで初めてハチマキから「おい、新入り!」と新入り呼ばわりではなくちゃんと「タナベ」と名前で呼んでもらえる。よくできとりますなー。
5は月旅行とスリと借金苦による心中とが大きなネタ。小ネタとしてはハチマキが変な映画の撮影に付き合わされるというものか(でもそれはキッチリ伏線になっているという)。アニメ版プラネテスは雰囲気やストーリーは原作とは違う部分が多々あるんだけど、ほんとにいい具合にそれが作用している印象。今回もそうだけど、アニメ版は「三題話」的な面白みがある。幾つかのネタ、キーワードを用意して、実にうまく創りあげているというか。つくり手の職人的プロフェッショナル魂を感じる次第。B+