M-1グランプリ2008まであと2日

「M-1グランプリ」で戦うために 2008-12-14 - てれびのスキマ#p1
先週ダイアンから受けた感動を再び思い出す秀逸なM-1分析記事 - 昨日の風はどんなのだっけ?

「手数」の話が非常に面白かった。好きな物事について、何故好きなのか、どう好きなのかと考えたり語ったりすることはとても楽しい事です。「手数」について僕は「加速度」とか「スピード感」「情報量」といった言い方で何回か書いてたけど、「手数」という概念が一番しっくりくるなあ。

あとは東京ポッド許可局で語られていた「拍手笑い」、渾身のボケとツッコミのフレーズがハマって客が笑いながら拍手するような笑いがちゃんと詰め込まれているかどうか、これも本当に大事なところだなあと思った。無論これはネタやってみないとわからないところでもあるけれども、優勝あるいは最終決戦3組に残るようなコンビは、少なくとも1回以上はこの拍手笑いがあったと思う。ネタの中でのクライマックス的なところで1カ所、あとはボケが凄すぎるとかツッコミが切れ味抜群だったところとかに1、2カ所はある。ここ3年のチャンピオンのネタでの拍手笑いは「CのB型(笑い)By富沢」「僕ちゃんとピッツァって言いましたよ! By富沢」「向かいのホーム 路地裏の窓 こんなとこにいるはずもないのにBy徳井」「そこはまず鮭やろ! By吉田」あたりが思い出される。この拍手笑いはid:toroneiさんが上記記事で語っているところの「機関銃の中でさらに打ち出す弾道ミサイル」みたいなものかなーと思う。

東京ポッド許可局
東京ポッド許可局 : 【第49回“手数”論】

手数という概念をふまえて南海キャンディーズ(2005)、ポイズン(2007)、千鳥(2007)を思い出すと、彼らのネタは明らかに手数が少ないし、その少ない手数で相手を一撃KOするくらいの破壊力があるかというと、そこまでのパンチ力でもなかったので破れていったのかなぁ。今年については、手数増加フォーマットを完成させたナイツ、スピード感のノンスタ、情報量が凄いキンコンがやっぱり有利かなと思う。そして対するダイアン、モンスターエンジンはミサイルを打ち出すことが出来るのか。ザ・パンチはナイツノンスタキンコンと相対比較としては手数はそう多くないタイプだが、ツッコミのフレーズが会心の出来のものが多く、今までテレビで出していないフレーズで新鮮さがあり、かつ拍手笑い級が多ければ勝機はある。あるいはフォーマットをチューニングして、高速化して手数を増やすのか。

ネタの中身については、構成がメチャクチャうまかったら多少ブラックでも審査には影響されない気がする。サンドウィッチマンの「ピザ屋のデリバリー」は冒頭の冷凍イカで殴ったのくだりとオチの店長トッピングにされちゃったの繋がりピザ屋内殺人事件を想起させるが(サンドのDVDのロングバージョンだと、それが明確にわかる)、ネタ観ている間は全く気にならなかった。ブラックさよりもむしろエロ・ウンコ・オシッコといったものの方が評価が下がる気がする。

最近、深夜に3分間、今年のM-1決勝出場者を紹介する特集をやってるが、キングコングの紹介時の映像は忘れられない。西野さんが舞台裏で悔しくて号泣しているシーンが流れていたのだった。タレントとして成功をおさめ、2007年の決勝と最終決戦で漫才師・キングコングを皆に知らしめる事には大成功したと思うのだが、本気の本気で優勝を目指して、優勝だけを目指して戦っていたのだなとしみじみ認識を新たにした。大舞台経験が豊富で、決勝、最終決戦経験者でもある彼らは無論今年の優勝候補の一角ではある。キングコングVSノンスタイルという対決、今年のM-1はこれだけでも十分楽しみだ。昨日放送分は「史上初・連続優勝」を目指す笑い飯、浅草演芸場の覇者、ナイツの2組が紹介されていた。いやいや、皆なあ、とてつもなくカッコイイなあ。ナイツの塙さんは芸風はわりとひょうひょうとした印象なんだけど、語るとメラメラと燃える野心をひしひしと感じた。