岡田斗司夫のひとり夜話 大阪第4回 12月 その2

レコーディング・ダイエット決定版 (文春文庫)
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さてその2、2時間目はゲームの話。
「最近は普段ゲームは全然しない」という岡田氏。


その理由は「感情移入しすぎるから」とのこと。昔デコトラ伝説という、デコレーショントラックを運転するゲームなんだが、基本的に全編演歌調の世界。運転中に流れる、そんなにうまくないB級っぽい女の演歌歌手の歌に妙にハマったという。まあまあ売れたのか、続編も2,3と出ていたんだけど、歌は北島三郎とか出てきちゃってると。しかし、そこはサブちゃんじゃなくて、1のしみったれた臭いのする女の歌手が出てくるべきだろうよ!と(笑)そのB級歌手がソフトの続編とともに、ちょっとずつ豪華になっていくのが演歌とちゃうんかぁい、と岡田コメント。


そういえばそういうゲーム、昔プレステであったよなーと思い出していた。


岡田氏は他にマリオカートもけっこうやったと。いつもヨッシーを選んでいて、ヨッシーは選んだりアクション操作をすると「ブッキュー!」と叫ぶ。はまりすぎてリアルでも「ブッキュー!」と叫んで返事するようになるくらいにハマってしまったという。


そして、感情移入するというのは、作家の特性なのだろうか? という思いを抱くようになる。スティーブン・キングが一番怖いのは「ある夜、子供が寝ているかを見にいったら、その子が死んでいる事」だそうだ。イメージ力、想像力がありすぎるというのも良し悪しである、という話。子供というのは、案外よく死ぬし、そういう怖さ、恐怖感っていうのは僕もすごくよくわかると岡田コメントであった。


その後岡田氏はマリオ64にハマる。ハマりまくってクリア後も、毎日日課のようにゲーム内世界を散歩していたという。「おお、よしよし今日もワンワンが吠えてるな、クリボー元気やのう」とテクテク歩きまわっていた岡田氏であった。


RPGではまったのは「夢幻の心臓」というPC用ゲーム。後年の有名ゲームクリエイターが有名RPGを作るときにも参考にした、と言われているゲーム。
夢幻の心臓:レトロコンピュータピープル 〔別館〕:So-netブログ


これに出てくる農民のキャラクター、グラフィックが怖くてなんかイヤだった、と。緑色の目で、カマみたいなものを持っている(笑)そしてその農民キャラ、話しかけると変な事を言う奴がいると。「我が心はアラハワクにあり」「精霊の心……」など、よくわからないことを言う。謎のセリフで思わせぶりなんで、頑張ってクリアしたんだけど、結局そのセリフは何の伏線も無かった。


後年、ガイナックスがゲームを作ったときに、昔の手下っぽかったT君を制作スタッフに誘おうと思い、いざ誘ってみると、彼こそが夢幻の心臓を作っていたのであったことが発覚! 「T? よしよしアイツ誘ってゲームつくったろか〜」から「あ、あなたがあの夢幻の心臓をお造りになった……!?」と格上げされるT君(笑)焼肉屋でT君を接待しつつ、夢幻の心臓の謎のセリフについて尋ねると、T君は意外な答えを言うのであった……!


このエピソード、最後はネタバレなので避けますが、しょーもな面白い話でした(笑)農民の絵も謎だし、「260キロバイトの謎」ですねー。


僕は中学時代までは結構ゲームやってて、その後高校、浪人、大学時代はかなり離れてたんだよなあ。ある時期ダビスタを延々やってた気がする……。なんだろう、プログラムとの将棋みたいな感覚になってくるねあれは。2009年はそこそこゲームをしたような気がする。無双オロチ、太閤立志伝パワプロポータブルを少々たしなんだゲームライフであった。


RPGといえばドラクエ2ドラクエ2にもハマりまくった岡田氏。ファミコン時代のドラクエ2はハンパなく難しい。苦しい苦しいロンダルキアの洞窟を抜けると、一面真っ白の雪、白銀の世界がバアっと開ける。このシーンはゲームのあれくらいのグラフィックでも、正直ゾクっとしたという。ダンジョンは当然マッピングして、復活の呪文もメモしまくり、街ごとの店の値段や村人の会話内容まで全てメモしていたという。新しい村に入ると、全員に話しかけないと気が済まない。彼はゼルダの伝説でも同じような方法で堪能したのであった。


そんな岡田氏、プレステでは「どこでもいっしょ」をプレイ。当然ハマる。どこでもいっしょはトロというネコキャラクターが出てきて、人間になりたいといって、言葉を日々プレイヤーから学習していく。少しずつトロは言葉を覚えて、その単語を使ってプレイヤーに話しかけてくる。その言葉遣いがたどたどしかったり少しズレていたりするのが面白みであったりする。しばらくずーっとやってて、ある日トロが「明日は大事な話があるんニャ」という。そうか、ついにトロが旅立つ日が来るのか……としんみりする岡田氏。トロとの別れというのは、ドラマ的である、僕らはゲームとしてトロの相手をしてるけど、トロは本気で人間になりたいと思って言葉を覚えているのだ、そういう背景がしっかり見えるゲームになっているのだ、と熱く語っていた。人間になるために旅に出るトロと別れたシーンでは、かなりうるっときちゃったそうな。


そして当時10歳になる娘もどこでもいっしょをやっていて、クリアした(トロとの別れを終えた)と。どうよと反応を聞くと「まあまあかなー」とのこと。そうかー現代の子はドライじゃのうーと感じる岡田氏であったが、ある夜、夜中プレステの置いてある部屋が明るいのでふと覗くと、そこには……というオチ(ネタバレ要素があるため略)。


いやー、なんか最後せつなイイ話を聞いたなあ。以来、感情移入しすぎる要素の強いゲームという娯楽が、ちょっと怖くてなかなか出来ないようになってしまったという岡田氏。「キングボンビーが恐ろしすぎて、桃鉄もやれないよ! キングボンビーになっちゃった瞬間にリセットするもん!」とのこと(笑) 岡田氏は時折みせるこういうかわいげが絶妙だな!